Voice


「あっ、優…。」



よく覚えてないんだけど

(と言うか、全く)

迷惑かけてごめんね。




「起きたの?

もう大丈夫なの?!

突然倒れちゃうんだから!

心臓飛び出ちゃうかと思ったよ!」





弾丸スピードで話す上に、

肩をつかまれて大きく揺すられた。






まだ、熱も高いのか、

抵抗も出来ず、

やられっぱなしでいると、

梓がタイミングよく言った。





「とりあえず、

今日は6限目まで出るのは無理だよな。


…悪いけど、陵本さん、

美紀の荷物、

教室からとってきてくれない?」






優は、少し固まっていたけれど、

覚醒して

「はい!承知しました!」

と言って

走って行ってしまった。





…名前呼ばれて喜んでるな。

きっと。





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