Voice
「あははっ!!

イヤイヤ!

知らないのは美紀位なものだよ!」






「そっかぁ?

…って、遠夜!

今、私の事、馬鹿にしてるでしょ?

もーっ!!」






 私が膨れっ面で言うと、

遠夜は笑うのをやめて言った。





「ごめんごめん。

…でもさ、今の、すっごく自信ついた。

…ありがとう。」












 その瞬間の遠夜の顔は、

今までの中で一番輝いていて…。





私は、なんだか、すごく照れてしまった。








…とその時だった。












”バンッ”←ドアの開く音。







私達が、そんな話をしていると、

突然勢い良くドアが開いた。







「梓!!」






梓が、勢い良くドアを開けて入って来たので、

遠夜が驚いたように、そう言った。




そんな遠夜に、梓は、呆れたように言った。









「お前なぁ、もう授業が始まんぞ!

何やってんだよ?」







遠夜は、そう言われると、

何故か、私の肩に手をまわして言った。









「この子、事務所に誘ってた!」







「事務所に誘う?



…あっ!

社長が今日、学校に来て

探すとか言ってた、例の子か?!」







梓は、思い出したように言った。




遠夜は、笑顔で、頷き、言った。






「そう。

その娘だよ。」







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