Voice
「私、アイツ、大っ嫌いなんです!!

見習えって言ったって、無理です!

他の…そうだ!!

遠夜じゃ駄目なんですか?」







すると、高丘さんは、首を振った。









「駄目よ。



遠夜はベル。

この世界では女の歌手。



貴方はナイト。

この世界では男の歌手。



貴方は、これから男に

なりきらなくてはいけないの。



ベルの見学しても、貴方は、ナイトになれないわ。






…それにね、

デビュー前なんかに傍で研修させたら、


正体がバレる原因になるのよ!!」






高丘さんの言葉を聞いて、黙ってしまった。




それに、トドメを刺すように、

社長が肩を叩いて言った。









「…わかってくれるね。

私達は、美紀ちゃんに一刻も早く、

ナイトになってもらいたいんだよ。




これは、私達だけじゃない。



多くのファンが、

君とベルの歌を心待ちにしているんだよ。」







三人が私に、刺さるように目線を送った。















…これは

…やるしかないなぁ。





















待てよ?








そうだ!



きっとこれは神が、

私を試しているんだわ!!




もっと酷い事が待ってる忠告なのかも!








これから、何倍も嫌な仕事が

待ってるかも知れない。






…それでも、遠夜と歌う為!!

 そして、私と世界の新しい音楽の

1ページを刻む為よ!!





(ちょっと、言いすぎかな?)









 その為なら、アイツなんか

ヘの河童じゃなくちゃ駄目ね!!




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