ふたりだけの特別な絆

「ひゃあっ…!いきなり何するんですか!」


「ほらほら、大きな声出してる…。声、もっと抑えろよ?」


ま、まさか…
早速レッスンに突入…?


開始の言葉もないまま、いきなり手なんか握らないで欲しいよ…。


握られた手を凝視していると、グイッと引っ張られてしまった。


「きゃっ!」


その反動で立ち上がってしまった私は、如月さんに連れられてリビングへ。


ソファーに二人並んで座った。


ちょっと距離が近い…。


少しずつ体を動かして、離れようと試みたものの、すぐに如月さんに気付かれてしまった。


「陽菜、離れようとしても無理だって。俺が手を握ってること…忘れてねぇか?」


ニヤッと笑みを浮かべた如月さんに、嫌な予感を抱いた瞬間…


手を引っ張られて、先ほどよりも如月さんの傍に引き寄せられてしまった。



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