ふたりだけの特別な絆
「なんか…すごい顔してるよ、二人とも。」
教室に入ってきた翔琉くんは、私たちのところにスタスタと歩いてくると、可笑しそうに笑った。
「そ、そりゃそうよ!だって、まさか…ここで翔琉に会うなんて思ってもみなかったんだから!ねっ、陽菜?」
驚いて興奮気味の明衣に話をふられ、私はコクコクと頷いた。
「翔琉くん、この学校に転入したんだね…。てっきり他の高校かなって思ったから、ビックリしちゃった…。」
「実は、新しい家から通学するのに便利だから、ここに転入を決めたんだ…。もしかしたら、陽菜ちゃんたちも通ってるんじゃないか…って言うのもあったし。」
「そ、そうなんだ…。」
「この高校にして良かったよ。」
翔琉くんはニコリと微笑んだ。