超能力者だけの世界で。

《無色透明マッドサイエンティスト》



磁波エレキを能力を使って呼び出した。

本当は能力なんて使いたくなかったが、いきなり会いに行く勇気がなかった。

彼には用事…いや、個人的な頼み事がある。

今さら、赦される身でもないことは承知の上で。



今まで俺、合世色弥は悪役として生きていた。

誰かを殺すのだって、どんなに非人道的な行為だってやってきた。

大切なモノを取り戻すために。



仕方なかった。
どうしようもなかった。
言い訳と嘘を言ってきた。



俺が、アイツ等…《創始者》に強いられていることは『町の破壊』。

アイツ等は増えすぎてしまった超能力者を減らしたいらしい。

だから…改造能力者、破壊行為のための能力者を造れと言ってきた。

俺が磁波カンジと共に研究していた内容を何故知っていたのだろうか。


最初は軽いノリだった。
でも、違った。
やめたい…と感じた時に彼らは奪っていった。
自由、命もろとも奪っていった。
今でもアイツ等の手の中。


やるしかない。
いつ殺されるか分からない。
自分を捨てるしかない。
これから何人…いや、何百人殺めてしまうか分からない。



そんな、理不尽な現実を見始めたのは14歳の時だ。



最初は『サード』。
何十人もの同じ歳ぐらいの子供を犠牲にした。

闇原黒也は失敗したとも成功したとも言えない。

でも、黒川赤次によって救われたみたいだ。



さらに、三年後には『フォース』を計画し実行。

多彩町内で実験するのは難しいので外に出た。

磁波カンジには弟がいると聞いて…。

自分の能力を使って磁波カンジになりきった。
さすがに性格は真似られないが。


この時は俺も気が引けた。
でも、やらなきゃ…。



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