ひみつのはら

 ほかにも分かないことがあった。


「ねぇ、おねえちゃん。どれくらい離れてるとデンパが悪くなるの?」


 帰りにあたしはおねえちゃんに聞いてみた。


 さっちゃんもゆうちゃんも「たっくんは遠くにいる」って言ったけど、じゃあどれくらい遠くにいるの?


「昨日の電話で何かあったの?携帯だから、そういうことはあるだろうけど……?」


「うん……あのね」


 あたしは今日の話を話した。そしたらおねえちゃんは、


「え?たっくんは、1ヶ月前におじいちゃんちに行った?」


 なぜかおどろいた。


「そう言ってたよ」


 そしたらこんどは考えこむ。やっぱりおねえちゃんも「連絡がおそい」っておもってるのかな?


「ね、このみは昨日、どこに電話した?」


 いきなりなにを。


「たっくんの……お父さんの電話?」


「……やっぱり勘違いしてたか。昨日言おうと思ってやめちゃったけど……











このみが掛けたのは、携帯じゃなくて、たっくんのおうちの電話なの」



< 194 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop