不器用な僕たち

「もしも千亜紀がただの幼馴染だったら、僕は今頃ここにいなかったよ」

「えっ……」

「ただの幼馴染じゃないって分かったから、今ここにいるんだよ」

「涼ちゃん?」


フッと笑った後、涼ちゃんはもう一度私にキスをする。

長い、長いキス。


静かに唇を離した後、涼ちゃんは私の顔を見て、はっきりと言った。


「千亜紀が好きだよ。幼馴染としてじゃなく、一人の女の子として」




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