子うさぎのお世話
「先生、じゃああたし教室に戻ります。……うさ、いい子に寝てんのよ?」


「五十嵐さん、ご苦労さま。後は僕がついているよ」


棗は保健室のベッドに横になった雪兎の頭を優しく撫でて、心配そうに教室へと戻って行った。



「…体温も低いし、貧血だね。足を高くして横になっていたらよくなるから」


英彰は優しい声音で雪兎に言って、彼女の頭をそっと撫でた。


「……はい。ごめんなさい…先生」


英彰は雪兎の言葉にクスリと笑い


「昔みたいに『英ちゃん』とは言ってくれないの?」


まるでいたずらっ子のような顔で雪兎を見つめた。


「でも…、英ちゃんは先生、でしょ?」


不思議そうに聞くと今度は苦笑して言った。


「でも……、雪兎ちゃんには昔みたいに英ちゃんって言って欲しいんだよ……?」


「……??ふぅん…」


よくわからないけれどそんなものなのか…と雪兎は思った。






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