子うさぎのお世話




今日は私立青蘭学院の入学式だ。



名門進学校であるこの学院に入る為に、必死に受験を乗り切った生徒達がキラキラと希望に胸を膨らませ今日の良き日を迎えていた。



そんな中



式場である体育館に押し込められた生徒達は、退屈な校長先生の祝いの言葉を聞きながら



まるで人形のように美しい美少女に釘付けになっていた。



しかし当の本人は退屈そうにぼんやりと前を見ていて…



不躾な視線には気付いていないのか、興味もなさそうな感じだ。



「……ふわ…」



小さな口が堪えきれずにあくびをもらす。



それにすら周りの視線は縫いとめられた。



滞りなく入学式は終わり、生徒達はぞろぞろと体育館を後にする。



雪兎もそれにならい席を立ち、歩き始める。



そんな雪兎にちらちらと視線を寄越し、話しかけたそうに皆がしているが…



美少女過ぎる雪兎に何となく臆し、皆なかなか勇気が出ない。



(…もう帰りたい。)



雪兎は人が沢山いる所が苦手だ。



様々な思いの好奇な目が自分に向けられているのを感じて



なんだかとても、疲れてしまう…。



思わずうつ向いてしまい、ますます生徒達の視線に晒される。









――――その時だった









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