子うさぎのお世話




「あっちぃ~~…。」



電車を2つ乗り継いでたどり着いたビーチはどこもかしこも人だらけ……。



秋良の唸り声も仕方ないものに思えた。



「うっさいわよ!秋良!なんなのよ~…この人だかり!」



棗は美しい顔を盛大に歪め悪態をついていた。



「水着のお姉ちゃんがいっぱいで嬉しいけどさ~……帰ろうよ…。」



秋良が心底嫌そうな顔で棗に訴える。



「なんだこのうぜー人混みは…。」



横では時春がこれまた嫌そうに美形な顔を歪めている。



「いやよ…っ!意地で泳いでやる…!!行くわよ!うさ!」



「な…なつ…っ?」



棗は雪兎を引きずるようにして設置されている女子更衣室へと消えていった。



取り残された男二人は顔を見合わせ、



「「はぁーー…。」」



どちらともなく、長いため息をついたのだった。






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