ゆー君のゆーうつ。



一度、2人組の女をちらっと見てから聞こえるようにカノジョに言う。


「……あのさ、あんたもう教室に来ないほうがいいんじゃないかな?」



カノジョが悪口を言われないためにはこれがてっとり早いと思ってそう言った。




たぶん、もっと考えれば他の方法だってあるんだろう。

だけど、今のオレには、そんなこと考える余裕なんてなかったらしい。




ほら、カレシとカノジョってめんどくさい。

カノジョのことになると他に手が回らないし、冷静な判断だってできなくなる。



ほんと、憂鬱だよ……。

思わず、はーっ、とため息を吐いた。




『誰に何を言われても平気だよ!だってほんとのことだもん。

未来はそれより、ゆー君に会いたい気持ちのが強いもん!』



「あのさ、あんたの気持ちはそうかもしれないけどね…。」


またため息を吐く……。





すると、カノジョが一瞬、今までにないくらい、悲しい顔をしたのを、オレは見逃さなかった。


『…………そっか。未来、ゆー君の気持ち、全然考えてなかったね……』





……え?



オレの気持ち?

オレもわからない、オレの気持ちなんかをカノジョがわかるっていうのだろうか……




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