キスしかいらない

side天久

言ってしまった。

ひとまわりも下の女の子に。

「天久さん、ずるいよ」「え」
「好きって。私もずっと言いたかったのに」


抱きしめたハナちゃんは、潤んだ瞳のまま、キレイに笑った。



こんな顔をされたら。


理事長だとか。
相手がまだ女子高生だとか。
親友の妹だとか。


そんな色々なめんどくさいこと。



乗り越えてやろうって、思うじゃないか。
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