キスしかいらない
好きって言いたい

side葉菜子

「もう5月かぁ」

ついに独り言が出た。

「ハナ、おばんくさ」
「っつーか、なんでそんなテンション低いの?」

中学から仲のいい、鞠香(マリカ)と慶(ケイ)が、あやとりしながら言う。よくカップルに間違われる2人だけど、ただの幼なじみ(と言い張ってる)。

いや、あやとりって…とツッコミたいけど、そんな元気もない。


だってだってだって…!

天久さんに会えないんだもん!!

声にならない無念さで、私は座ったままジタバタした((○(>_<)○))



そんな私を見ても、2人はあやとりに夢中だ。

「メールしよっかなぁ」
私は机に突っ伏した。
「なぁに?誰に?」
マリがようやく反応する。
「なに、ハナ好きなやつできたん?」
「あっ、ケイそれもう終わりだよ。やったー!マリの勝ち」

「マジ?うっそー!」

あやとりで盛り上がってる2人に、ほんとは相談に乗ってほしい。


けど、理事長に片思い中って。

なんか言えないよ。
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