寵愛姫 1


「ふぅ…」


息を吐く。


そして落ち着いて
丁寧に息を吸う。


閉じていた瞳を
ゆっくり開く。


「…行くか…」


力のこもらない
声で自分に掛け声をかけ
重たい足取りで
門を潜りぬけた。


[バキッボコツ]


人が殴られて居る音が聞える。


はぁ…。


やっぱりここは
不良校だ…


朝から喧嘩。


しかも喧嘩してる場所が
私の通りたい道を
塞いでる。


邪魔だなぁ…


溜息をつく。


今日で何回目だろう…










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