幻想ロマンティック

「君が美姫ちゃんか、はじめまして‥神田康弘です」


「は、はじめましてっ」


「ふふっ、緊張することないよ?ほらそこ座って」


「はいっ」


なぜ二人しか会話してないかと言うと、言うまでもなく豪華料亭の個室にふたりきりだから。


なぜこんな事になったのかと言うと、お互いの子供達と少し話をしよう、と神田さんが言い出したため。


「娘か‥私の息子達は君と同じ高校生なんだけど‥男二人は可愛いげなくてね」


「‥はぁ」


「ちなみに息子達は高一と高三なんだ、君は高二‥だったよね?」


「はい、帝大付属の高校に通ってます‥」


そうか、とニッコリ笑う神田さんに私はふーっとため息をついてしまった。


「神田さんって年齢が不明ですよね、いくつなんですか?」


「私?私は38ですよ、老けて見えますか?」


私はぶんぶんと首を横に振ると、神田さんは綺麗な顔でニッコリと笑った。


「やっと‥‥か」


「はい?」


「いや、何でもないよ」


少し不気味に見えた神田さんの表情を私は不安に感じながらも、私はごまかすように笑った。



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