春風が通りぬけるとき。
何処にやればいいのか分からないこの想いを、先生にめいいっぱいぶつける。
否、ぶつけさせてくれたのだ、先生が。
それが今は、凄く有り難かった。
「先生、あたし、どんどん嫌な女になっちゃうよ」
もう既に、視界が揺れている。
昨夜あんなに泣いたのに、まだ涙は枯れないらしい。
「あたしね、彼も好きなの。だけど親友だってね、同じくらい好きなんだよ」
「井上さん…」
雪原先生は複雑な表情で、目をうっすら濡らし始めている少女を見つめた。