希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~


「…でも、情けないなぁ」


「情けない?」


「うん。…篠田さんの言う通りだもん」


あたしは自分を鼻で笑う。


「表向きは裕福な家系の優しくて成績優秀なお嬢様だけど…やってるコトは超サイテー」


「井上さん…」


「本当、あたしって何でも正当化させて…バカみたい…」


あたしが泣きそうな顔をすると後藤君は言った。


「でも井上さん、最近変わったよ。…前よりも男連れてないし、明るくなった。」


「…そう、かな?」


「うん。きっと、いい方に変わって行ってるよ」

後藤君はあたしに微笑む。


「…だと、いいな」


あたしはオレンジ色の空を見上げる。


「強く、なれるよ」


「え?」


「ううん、独り言」


あたしは口に出してみた。


先生がくれた言葉を。




――――大切に




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