希望の唄~運命とぶつかった純愛の物語~
あなたが居たから
―――少ない拍手。
ライブハウスとは、比べ物にならないくらいに少ない数の拍手。
でもみんな、見てくれてる。
「お母さんっ・・・お父さん・・・亮介ぇ・・・」
あたしがギターから手を離して泣き崩れると、3人があたしを抱きしめる。
久しぶりに感じる温かさ。
愛。
何年ぶりだろうか。
あたしが崩して、あたしはそれを人のせいにして。
もちろん個々に悪いところもあった。
でも自分が原因だと認める強さがあたしには無かった。
そう。
幼さだ。
でも――――
今はココにある。
ずっと求めていた愛が。
「・・・・・センセ」
「ん?」
「・・・あたし、よかったよ」
涙を拭いて、笑って見せる。
「あたし・・・先生に出逢えてほんっとによかった!」
あたしが本当の笑顔を見せると、先生は声を出して笑った。
「クサイこと言うなぁ!キザなヤツめッ!!」
先生は照れ笑いで3人に囲まれてるあたしの頭を撫でる。
その目にはうっすら涙があったこと、あたしは知ってる。