たる
高鳴り

―クリスマス。
 それは、カップルたちにとっては特別な日。
 想い人がいる人にとってもまた然り。
 ライトアップされた町並みは、ロマンチックに輝き、口説くにはもってこいの日だ。
 また、クリスマスパーティーという企画も、カップルを成立するのを、手助けしている。
 聖なる夜と言われていた時は、遥か昔。
 今は、男女の欲望と、企てが入り交じった、酷く汚れた日になった。

――というのは、単なる僕の僻みだった。
 彼女いない歴=歳の数な僕にとって、クリスマスは嫌いなイベントの一つだ。
 それに、クリスマスというのは本来、キリストの誕生日を祝うものであって、カップル成立するための日ではない。
 それゆえ、僕は嫌いなのだ。
 自分の誕生日を、カップル成立するために使われるなんて、キリストも可哀想だ。日本人は、何という酷いことをする人種なのだ。

――というのも、僕の単なる僻みだ。

 キリストは神様だ。そんなの気にする暇もないだろう。
 それに、キリストを呼び捨てにする僕の方こそ、よっぽど罰当たりだ。

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