ブラッツ



この少年〝家族〟は〝お父さん〟だけ、だと思っていた。


だってこの家には自分と親父しかいないのだ。

昔から、少年に記憶が残っているときから、ずっと。



しかもその親父もここ半年くらい音信不通。

まったくどこにいるのか分からない。


「行って来るな」という言葉を残し、約半年。

親父は今どこで何をやっているのだろうか。




少年はこのオンボロ家に1人。

アルバイト生活。


電気、ガスなどは節約してなんとか大丈夫。

アルバイトでなんとかギリギリ払えてる。


苦しい状況だが生きていけるんだからオーライオーライ。



いつもテキトウに買った物で食事は済ませている。

一日二食。


グウ、と悲しく腹が鳴いた。



ああ…

満腹豪華な物を食べたい…


少年は腹を抱えるように丸まった。



なんて悲しい人生…


とほほ、と涙が込み上げてきた。




――――瞬間、






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