恋の病
しかも前に真由が告白した元カレに似てる。整った顔も、飯田のあの独特な雰囲気も。
一番あいつが酷かった。
真由の事、散々悪く言って傷つけたのあいつだった。
そんな奴本気で好きになってしまう真由も真由だけど、好きになってしまうのは止められないのは…仕方ない。…けど、あいつの為に泣いてばっかだったから…。
その事もあるから…やめた方が良いと本当に思う。
「飯田はやめなよ、ね?」
「何で?良いじゃん、別に」真由が言った。
「駄目だって。あんな軽そうなの、やめた方が良いって…。」
「分かんないじゃん。絶対今度は違うと思う」
自信持って言う真由の横顔になんだか怒りを感じた。
「何でそうな訳?もっと真面目なタイプ好きになれないの?あんなチャラチャラした奴…!……あいつみたいじゃん!!」
周りも気にせず、抱いてきたキモチを言い切った瞬間、、言うべきじゃなかったとすぐに後悔が心の中に広がった。
シンとした間が…苦しい。
しばらくして真由は静かに話始めた。
「……うん…。似てるかもね。だけど…好きになっちゃったから。…知りたい、飯田君のこと。もっと知りたいって思っちゃったから」
「………真由…。」
俯きがちに痛々しい位悲しそうに笑う真由に言う筈だった告白を止めさせる言葉もどこかに消えてしまった。
ごめんも言えずにただ、好きになるって何なんだろう、何なんだろうと考えていた。
雨はまだ止みそうにないみたい。