love is over?

2

教室に着いたあと、ワタシは一人席に座った。

なにも考えられない。
頭の中はボーっとしてた。

「ユカどうしたの?」

友達のサエが声をかけてきた。

サエはワタシの<親友>。

他の人には言いにくいこととかも、
サエなら気にすることなく話すことができた。

そーいう意味では、ホントの<友達>
は、サエしかいないかも知んない。

「ねえ、ユカ?ホントどした?元気ないよ・・・」

サエが心配そうにワタシの顔をのぞきこむ。

「あ、ゴメン。今日ちょっと体調悪いんだ・・・」

ワタシはごまかすようにそう言った。

「ホントに?なんか考えごとしてたみたいだけど・・・」

サエは信じられない、って顔してる。

「・・・いやホントにだいじょーぶだから」

ワタシは、サエに<嘘>っぽい笑顔を作った。



―――言えなかった。

親友のサエのハズなのに。
いや、<親友>だからこそ。

<あんなこと>話したくなかった。
大切なサエを<あんなこと>に巻き込みたくなかった。

言えるはずがないよ。

<不幸になるのは、ワタシ一人で十分>

「ホントに?気をつけてよ」

そー言って去ってくサエの背中を、
ワタシはぼんやり見てた。

―――ぼんやり。
なんにも頭に入ってこなかった。
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