毒舌姫と俺様クールな王子様


「いえいえ、何にも言ってませんよ?幻聴じゃありませんか?年をとるのは嫌ですね。」



少し挑戦的に言ってしまったのを、後から後悔する事になるのをまだ七海は知らなかった。



「ふーん、いい度胸してるな?そんなに仕事がしたいのか、ならばお前が好きだと言う仕事は沢山あるからお前にくれてやろう。」



ドサッと私の前に積み上げられた書類の…山、山、山…



さすがの私でも顔が引きつる。



「あの…これは?」



指を書類の山に向け、再び書類の束を持ってくる水崎に聞いた。



「お前がしたいと言う仕事だ。したいんだろ?それとも、お前にはできないのか?」



ニヤリと笑う水崎の挑発だと分かっているのに、それに乗ってしまう私が嫌だ。



「できますとも?バカにしないで下さい。水崎先輩より遥かに綺麗に書類を整理してやりますよ!!」



うぅ…
乗ってしまった。



だってあの言い方、私はまるで出来ない的な言い方だったよね?



なめんなよ!!
瀬川七海の底力!



やってやろうじゃないか!!


「ほぉ?じゃあやってみろ。期限は3日後だ。お前本当にやれるのか?」



「やれますよ?3日後にはビックリさせてやりますから。」



「へぇ、3日後が楽しみだな。まぁ期待はしないけど。」



本当にムカつくなこの人…


「いいですよ、あなたに期待されても嬉しくないんで(フン」



子供みたいな事をしてしまう私も嫌だ…



「じゃあ3日後、ちゃんとしてこいよ?」



「分かってます。」



「お前らも早く仕事しろ。」


水崎は座りながらこっちの様子を見てた皆に言った。


「「分かってまーす」」



双子君達の息ピッタリな返事を聞いた後、水崎は仕事に戻った。



よし、私もやるか。



自分の仕事が決まって、水崎のせいで助手もやることになったけど、やるからには頑張らないとね…



そう意気込んだ後、目の前にある書類の山の整理をやり始めた。





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