DOLL
「ってか!誰っ!?」

思わず尻餅をつくと、その騒がしさに少女が目を覚ました。


起き上がった行動にヤナは大袈裟に反応する。

(起きちゃった…起きちゃった…っ!)


心の中で慌てるヤナとは裏腹に、少女はゆっくり起き上がって伸びをした。



ヤナは声も出せぬまま、その細い後ろ姿を焦って見つめていた。


そして少女は振り返る。



少女は無言でヤナの存在に驚いた。

胸を押さえて「びっくりした…」と呟く。


大きく見開いた淡い黄色の瞳を見て、ヤナはやっと我に帰った。

「びっ、びっくりしたのはっ…っこっちだよっ…!どうやってここ入ったのさ?っ」

そう言うと、あとのついた髪を抑えながら少女はヤナを見つめた。

ヤナは慌てて敬語で言い直した。



するとまた少女は呟く。

「…驚いた」

「へっ?」

マヌケな声を出して座り直す少女をまばたきをしながら見ていた。
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