秘密なこと
第六章
「はあぁ〜…」

帰りの車の中、自分は雅也だけでなく亮さんにも惹かれていたことがわかり、私はため息をこぼしていた。


「ちょっとLIR…。さっきからため息ついてばかりじゃない。」


「うーん…?」


「もう!!何かあったの!?」


「何でもなーい……。」

突然携帯が震える。

私は相手を確認しないで出た。


「ふぁーい…もしもし〜?」


『………』

相手は無言だけれど、笑っているのか、かすかに声が聞こえる。


「あの…?どちら様ですか?」


『クックックッ…すげえ疲れた声してんのな。』

私はバッと姿勢を正す。

《この声は…!!》
< 61 / 194 >

この作品をシェア

pagetop