雨上がりの空
出会い
{今日の降水確率は50%で・・・}

「空ー!!傘持った!!??」

「いらなーい!!」

「降水確率半分あるんだから持っていきなさい!!」

「私、後の半分にかけるから!!!行って来ます!!!」
今は6月の上旬。今、ちょうど梅雨の少し前ぐらいのところだ。
私は朝姫 空(あさひめ そら)。
高校2年生。
賭け事が大好き。
だって、勝った時に嬉しくなるじゃん?
わかるよね、そういう気持ち。

でも残念ながら今日の賭けは負けた。
家から大分離れてから雨がぽつぽつと降り出してきちゃった。

このまま大降りにならなければ無事学校のに到着できるけど・・・
結構降り出してきちゃった。

私は木の下で雨宿りをすることにした。


でも・・・全然止まない・・・
そろそろ学校の始まる時間だ。
「どうしよぉ・・・」
私が一言呟いたとき、1人の格好いい(でも不良っぽいかな)男の子が
私に傘を手渡してきた。もちろん私が通っている学校の生徒だ。
「これ差してけ。」
そう言って走って行ってしまった。
私は状況が理解できず、その場で立ち尽くしていた。
・・ン・・
その時、微かに学校のチャイムの音が聞こえてた。
私はそれと同時に、傘を差して走っていた。

何がなんだかわからなかったけどなぜか嬉しかった。

しかしその嬉しさもつかの間。
学校に着いたら、遅刻した理由と遅刻したことについての
反省を書かされ、言わされることに・・・
私が生徒指導質の一番奥の椅子に座っていると、
担任の小ヶ田 慶治(おがた けいじ)先生が入ってきた。
あ、男だよ。しかも結構若くてかっこいいほうだと思うよ。

「・・・朝姫さんはどうして遅刻をしたのですか。」

「傘を忘れて・・・木の下で雨宿りをしていました。」

「傘を忘れたのではなく、朝姫さんのことだから持ってこなかったのでしょう?」
 
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