【短】ひこーき雲
「ねぇねぇ、それで、どっちが良いと思う?」


「あ〜…こっち。」


「こっちかぁ。じゃあ、買ってくるね。」

そう言って彼女はレジの方へと向かっていった。


先に店の外へと向かう。

5分くらいすると彼女が出てきた。


「お待たせ!!ごめんね、付き合わせちゃって…。」

俺達はゆっくりと歩き出す。

「いや、大丈夫だよ。

…あのさ、陽介とはどんな関係なの?」


「えっ…!!えっと…幼なじみかな。」

そう言う彼女の頬は少し赤くなっていた。

「…大切な人?」


「え…?」


「陽介は、大切な人なの?」


「……………うん。」

できれば、彼女のこの返事は聞きたくなかった。


これでもう、確定だ。
さっき、頬が赤くなったこと、陽介の性格を話すときのあの表情、

しかも『大切な人』…。


彼女の気持ちは、きっと―――――。
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