【短】ひこーき雲
「うお、寒!!……雲一つないなぁ〜、青い…。」


そんな感想を抱きながら、
くるりと校舎の方を向く。


―――窓際の席に座っている彼女を見るため。

こんなに早く来るのも彼女を見ていたいから。


「今日は…寝てるのか。」
ぷっと笑いつつも彼女から視線はそらさない。


彼女の名前は仲口 綾。
クラスは3組。
性格はわからない。
彼女が俺の存在に気づいているのかもわからない。
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