【短】ひこーき雲
「………あ。」
彼女が俺を見てそう呟く。

「へ!?」俺は突然のことに驚いて声がひっくり返ってしまった。


「現国の時…あ、あなたは体育の時でしたけど、目が合いましたよね。

覚えてます?」


「あ、はい!!」忘れるわけがない。


「よかった。………飛行機雲、お好きなんですか?」


「……はい!!」
これは嘘だ。少しでも彼女に近づきたい、そう思っていたらつい口から出てしまった。

「私もなんです。」彼女がそう言うと自販機が丁度空いた。


彼女が買った後、俺も続いてお茶を手に入れる。

すっと横に出ると彼女は待っていてくれた。


「あの、あなた1組ですよね?途中まで、話して行ってもいいですか?」


「もちろん!!」

こうして2人で歩き出した。
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