最果ての月に吠える
「まあ、焦るなよ。巡回が終わるまでにはまだ少し時間がある」





それは僕自身にも向けた言葉だった。





動物園の飼育員である僕がこんな計画に加わるなんて思いもしなかった。





「君は、どうしてこんなことを?」





カズネの願いだったから。





彼女がリューネのために協力してくれと言ったから。





「見せてあげたいヒトがいるから」





でもそれは君の願いだったんだね。





君はその誰かのために動物達を―――





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