最果ての月に吠える

第6話 過去を呼ぶ声

第6話 過去を呼ぶ声





あれはまだ刺激を色でしか感じられなかった頃、暖かな羊水に漂う原始の魚だった。





一定のリズムを奏でる鼓動と鮮やかな赤を見せる血管、太陽の白い光を届かせる皮膚。





この穏やかで小さな世界とオレを繋ぐ唯一の接点から黒く不快な塊が流れ込んでくる。





それを拒むことなどできず母親からの贈り物を甘受する。





「それでいいの?」





ここに生まれる以前の記憶の中で君が微笑んでいる。





いいんだよ。





オレはその黒い塊を受け入れることでやっとここにいる意味を得られるのだから。





「本当にいいのね?」





ああ。君の笑顔が見られるなら。





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