意地悪てぃーちゃー
それから、もう高橋ちゃんは消えて今になる。
つい最近の話やけど…


あの時も今も、うちには井澤が居る。
やから、明日も乗り越えて見せる。


「先生…?うち頑張る。挨拶させてください。」


「大丈夫か?」


「うん。高橋ちゃんなんか、眼中に無い。それに、先生も居るしな。」


うちはいつものように、井澤に笑顔を向けた。
井澤も優しく微笑んだ。


「おっ。やっぱ心は俺が好きやな。んじゃ、早速原稿つくろか。」


もう書くことは決まってた。
今までの感謝の気持ち…。


そう思うと、スラスラと原稿が書けた。
しばらくして、原稿が書きあがった。


「先生。出来た。」


「早っ。見せて見せて。」


うちは書きあがった原稿を、井澤に渡した。
井澤は、真剣な顔をして原稿を読んでいた。


「本間ええ事書くな。OKや。まぁあんま無理すんなよ。」


「はいはい。先生って、本間親みたいやな。」


なんか前からずっと、思ってた。
親以上に、心配するもんな。


「そりゃ、心の担任ですから?」


「はいはい。そりゃどーも。」


「本間、冷たいな~。そろそろ帰るか。」


井澤はそう言って、立ち上がった。
うちも立ち上がって、自分の荷物を持った。


「明日頑張れよ。明日もちょい早めに来て。挨拶のリハと花束の打ち合わせするから。」


「了解。先生、ありがとう。バイバイ。」


「気をつけてな。」


うちと井澤は、お互いに手を振りながら別れた。
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