意地悪てぃーちゃー
指導室に着くとうちは教頭と向き合う形で座って、うちの隣に荒木ちゃんが座った。


「で、話しと言うのは？」


「単刀直入に言います。

わたしと井澤先生の事、なんか誤解してません？」


しばらくの無言の後、教頭が口を開いた。


「そうですね。
噂が流れてる以上、疑わないワケには行きません。
それが何か？」


「教頭先生って、噂を信じて人を疑うんですね。
正直それって、教師としても教育者としても「北沢！！」


うちの言葉を遮って、荒木ちゃんがうちを止めた。


「教頭先生。

僕は北沢の副担で、北沢の事も井澤先生の事も近くで見てきました。


二人は普通に仲がいいだけで、特別な感情は一切ありません。

井澤先生と北沢の関係は、教師として羨ましいぐらいの信頼関係です。

だから、もう疑うのはやめませんか？」


荒木ちゃんの言葉に、うちは泣きそうになった。


「荒木先生。
あなたの言う事もわかります。
それに学年の先生方に聞いても、井澤先生の評判も北沢さんの評判も非常に良い。

ですが二人に特別な感情は無くても、他の生徒にすればそう見えるんです。


悪い事は言いません。
卒業まで後少し…
井澤先生と関わるのを、制限出来ませんか？」


うちの中の何かが、音をたてて崩れ始めた。
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