勿忘草〜永遠に捧げる私の気持ち〜





違う、違う裕が悪いんじゃない

「私が悪いの…っ」


「これはどっちも悪くてどっちのせいでもないんだよ」


よく分からないって顔で裕を見上げると

「ア・ホ・づ・ら」

と言っておでこをピンッっと指で弾いた


「い…ぃひゃい」


涙で見上げると意地悪そうな笑顔で


「しょうがないから泣き虫アホ面紫苑ちゃんに教えてあげるね」


それだけ言うとさっきとは真逆優しい微笑みで


「どっちも相手にちゃんと言えなかった。それで二人ともすれ違ったんだ」



裕の優しい瞳はずっと私の瞳を見ていて



「でもな…。二人とも言えなかったのは相手に心配かけたくないとか、相手を想って言えなかった」





「だから…。どっちも悪くてどっちも悪くない」


矛盾してるけどな

と言って笑う裕の顔は私の大好きな笑顔なの



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