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「じゃ、お前いつ起きたの」
「ちょっと前」
「今何時」
「もうすぐ8時」
「8時かー」
「おなか減った」
「ケーキ食ってないの」
「うん」
「食えばいいのに」
「お前どうするの」
「俺?」
「ユヅルおなか減ってないの」
「あー……」
「ケーキ食べる?」
「どうしよ」
曖昧な返事を口にしながら、さすがに右肩が限界で、ソファの上で寝返りを打つ。
仰向けになってから、照明の眩しさを遮るように、額の上に腕を乗せた。
寝起きの頭は、まだ活動をしたくないようだ。
メグルは俺が返事をしたくないことがわかっているようで、すでに前方のテレビへと視線を向けている。
コーヒーをすする音が、微かに聞こえてきた。
慎重にすすっているような小さな音だったから、コーヒーを淹れて、まだそんなに時間は経っていないのだろう。
「……そういえば」
「んー」
「雪降ってる?」
問いかけながら顔を上げ、カーテンの閉まっていない窓へと視線を向ける。