翼を失くした天使の羽音
帰り道
学園通りの銀杏並木道。

オレンジ色の夕日に包まれながら。


並んで歩く、わたしと天人くん。



お互いの指が触れるか、触れないか。


そんな微妙な距離が、よけいにドキドキさせる。




「どう? テスト勉強、進んでる?」


「うーんと……あんまり」


わたし、天人くんの言葉に苦笑い。




「そっか…………」


「…………うん」




優しい時間が流れる。
何だか癒される。


沈黙も全然気にならないし。
居心地がいい。




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