わがまま彼女





「優斗ーっ!」




「お前声でけーよ」





放課後、俺が玄関に行くと咲季が俺の名前を呼ぶ。

でかい声で。




付き合うようになってから咲季は玄関で俺のことを待っている。


そして俺の姿が見えるといつもでかい声で呼ぶ。





「ねぇ今日うち来ない?」




玄関を出ると腕を絡めながらそう言ってきた。





「うーん。どうしよっかな」




「えぇーなにそれっ。ねぇ来て?」





上目遣いで俺を見てくる咲季。




やべ・・・。




俺はとっさに目をそらした。





「・・・お前そういうの、やめろ」




「え?」




「だからっ、その目とか・・・」




多分こいつは無意識。厄介すぎる。



こいつは無意識なのに俺はそれにドキドキしてるなんてダセェ。





「ねぇーってば!来るでしょ?」




咲季は組んでいる腕を乱暴に振りながら俺の顔を覗きこむ。




「はいはい、行きますよ。

その代わり襲われても知らねーよ?」





「・・・ばか」





咲季は顔を赤くしながら下を向いて言った。




「なに赤くなってんの」




「な、なってないし!」





咲季はこういうことを言うといつも顔を赤くする。



それが可愛くてついからかってしまう。



けっこう俺ってSだなって最近気づいた。









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