オオカミ少年

5話 委員会

私と逞は体育委員に手を挙げ体育委員になった。

休み時間になり、葵が後ろを振り向いて不気味な笑顔で私を見ている。
「…な、何??」
葵の変な笑顔に戸惑いながらも質問する。
すると葵はもっと不気味に笑い、
「何ってえ、いい感じだったじゃん!!斎藤君と!!」
と言った。
急な発言に慌てて逞がいないか探す。
運良く逞は教室に居なかった。

ほー、と胸を撫で下ろし葵の発言に対応する。
とりあえず、ごまかす。
「ええー??」
とりあえず、とっさに浮かんだ言葉を発する。
だけど葵には、そんなの効かないみたいで、
「逞でいいよ」
と声を低くし笑顔になり、逞の真似をした。
すっごい似てない…。
「舞って、意外にピュアだよな」
と、また逞の真似をした。
「別にいい感じとかじゃないでしょ」
と逞の真似をする葵を止めた。
私はヘラヘラ笑い、ごまかす。
葵には悪いけど、別に好きとか何でも無いから嘘じゃない。
「それに、同じ委員会だし」
めげずに発言する葵。
私だってめげないんだから。
「偶然でしょ」
と言っても、
「絶対いい感じだったよ」
の一点張り。
…葵、しつこいよ。
私は諦めて違う話に持ってく。
けど、
「それよりさ~」
と、また逞の話題に戻る。
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