オオカミ少年
「…は?お前、俺とキッ」

自然と体が動いた。
自分でもビックリした。
まさか、葵の前で廉に抱き着くなんて。

「……は?」
動揺している廉からはマヌケな声が聞こえる。

私は廉の手を握り締めて走った。

逃げるが勝ちって言うのはこう言う事だろう。


「何すんだよ」
廉が前髪を書き上げて言う。

私は廉の手を離した。

「何する!?コッチの台詞だよ!!葵の前で…」
「だから?」
冷たい目で私を見つめる廉が怖い。

「あ、葵はアンタの事が…」

「好き??俺の何を見てあの女は俺の事、好きだっと思ってるわけ??」

言われればそうだ。
私も疑問に思う。

何も言わない私を横に廉は深く溜め息を吐いた。

「顔だろ?」

「分かんないじゃん」

どうしてそんなに冷静なの?

「…もしかして忘れた?」

「へ?」

廉の顔が近づく。

私は抵抗出来ないでいた。

再び強引に重なった唇。
だけど、これをキスとは言いたくない。
これは唇が重なっただけ。
こんな愛がない口づけ…。

5秒で離れた唇。
私は走って、その場を去った。

…好きじゃなくてもキスするの?
私が止めて無かったら葵とキスしてたの?
分からないよ…。
< 57 / 57 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

恋愛初心者

総文字数/443

恋愛(その他)1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
何も知らない 胸のトキメキも 嫉妬も 悲しみも どうして恋するのかも
love for you

総文字数/989

恋愛(その他)4ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
大好き… 何回も唱えたこの言葉。 だけど君には伝わらない。 君の口からそんな言葉、聞きたくないよ…。 大好きだから
彼の二番目。

総文字数/7,920

恋愛(その他)10ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
彼が私を見てくれるなら…、いいの。 それでも。 彼が私を思ってくれるなら…、いいの。それでも。 彼が私を好きでいてくれるなら…、いいの。 それでも。 だけど、これだけは忘れないで?? 私は貴方が一番好きなんだから。 PV数、800突破!!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop