ウブ恋ー君は照れ屋なヤンキーくんー

▽遅れてごめん。



『ーーーーじゃあ、また電話する』

「うん、おやすみ」


ピッと通話終了ボタンを押して、ボフッとベットに倒れこむ。

耳にまだ残る椿くんの声を思い出すだけで、好きという気持ちが膨れる。


付き合って2週間。
まだまだなあたしたちだけど、少しずつ恋人らしくなってきた、はず。

やりとりがメールから電話になった。
それから…。


……ん…?それから?

あれ?恋人らしくなってきたとか嘘じゃん。やりとりが変わっただけじゃん。


「あ、ありえない……」


そういえばあの日、告白された日から会ってない。帰り際に今度遊ぼうねって約束しただけでバイバイしちゃったし。

名前だって恋人同士になったら下の名前で呼び合うのかと思ってたのに、相変わらず椿くんは"相田"のままだし。


キスだって…。



どうしよう。このままじゃ夏休み会わずに終わっちゃう。2週間前が嘘だったなんてことになったらあたし絶対泣く。



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