はちみつラバーズ



「壱成」


「あ、亜紀」


「部活終わったよ」


「おつかれ。帰ろっか」


「うん、ありがと」


亜紀くらい、素直なやつだったらかわいいのに。

いや、それも愚問か。



亜紀だからかわいいのであって、なんとかちゃんが最初に素直だったとしてもかわいいなんて思わないんだろう。




「あー、亜紀」


「なにー?」


「なんとかちゃん、いるじゃん?」


「リナちゃん?」


「そう、それ」


リナちゃん、ね。うん、今一応覚えたけどきっと明日にはまた忘れてるんだろうな。


「リナちゃんがどうしたの?」


「うん、まあ暗いし帰りながらのんびり話すよ」


「うん」


不思議な顔をしている亜紀の手をとって歩き出した。




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