はちみつラバーズ


…というか、そろそろ亜紀が来る時間な気がする。


はやく会話を切り上げなきゃ。



「じゃあ、彼女のところに行くから」


「あ、はい」



なんか嫌な予感。

バッグを持って席を立ち、急いで教室を出る。



「やっぱり…」


「…ごめんなさい」


予想通り、ドアに寄りかかった亜紀がいた。

うつむいて、唇をかむ亜紀。


やらかした。彼女ってちゃんと言っておいてよかったけど。



「謝ることじゃない」


「うう、だって…」


「まあ暗いから帰りながら色々聞く」


「うん」


ああ、めんどくさいことになったぞこれは。






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