オルゴール


「麗華ちゃん、大丈夫なの?」

「麗菜ちゃんは、どうして……」

「ごめんね、心配かけて。でもとりあえずは大丈夫だから……」


1ヶ月ぶりに、登校した。

大丈夫だとは言っているけど、まだ背後が怖いことは変わらない。

でも一応、あの部屋を抜けたからか、視線は感じない。

それとも、オルゴールを置いてきたから……?


それでも、音にはスゴく――

――カツッ...


「嫌っ……!!」

「え、麗華ちゃん!?どうしたの!?」

「……え、あ……なんでもない。ちょっとシャーペン落とした音に、ビックリしちゃって……」


――敏感になっていた。


ずっと、一日中神経を集中させて耐えていた。

頭がおかしくなるんじゃないかってくらい、視線や音に集中していて……でも、その状態からお母さんが救ってくれた。
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