たったひとりの王子様 [完]



ゴキブリ程度なら、まぁいいか。


でも、それから悲鳴がなくなった。


前、ゴキブリが出たときは、騒ぎまくったのに。


なにか…あった?




明美を助けたいけれど、情けないことに足が動かなかった。


好きなヤツも…守れない。





しばらく、俺は自分家の陰にかくれていた。


明美の声が、悲鳴がまた聞こえたら

絶対に飛び込んでいく。


そういう決意をした。




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