たったひとりの王子様 [完]


ってあたし…なに考えてるんだろ。


「本当なかよしだよね、朱音ちゃん」


うらやましい、って顔でつぶやいてきた裕美ちゃん。


それは、幼なじみだから。


昔は仲がよかったから。


それ以外はなにもないの。


今だって久しぶりに喋ったぐらいだもん。




でも、もう歯車はまわってたんだ。


あたしと由宇の…。



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