出席番号1番
【悪口1】(紗良視線)
「………釣り合い、か」
誰もいない教室でぽつりと呟いた。
なるべく声を抑えたつもりなのに妙に大きく響く。
机の上に広げた教材。
さっきから一つも文字を書いていない。
勉強する気にもならず…
ずっと窓の外を見ていた。
話は1時間前に遡る。
二年になってからは放課後は瑛斗と帰っていた。
部活に所属していない私に対し瑛斗は全国常連バスケ部の部長。当然放課後は毎日部活がある。
だから私は教室で勉強をして瑛斗の部活が終わるのを待っている。
そして、勉強の途中でトイレに行って個室に入ったら騒がしい声が響いた。
数人、トイレに入ってきて鏡の前でしゃべっているようだった。
「瑛斗くんマジかっこいいよね~」
「シュートきまった時ガチでやばい!」
「そうそう。てゆーかさぁ瑛斗くんって言えばあの人いんじゃん」
「あの人?」
「誰?」
「ほら、あの全国1位の鬼才」
「あ~」
「あいつね」
「なんか、うざくなーい?」
「間違いない。うざすぎー」
「何であんな勉強しか脳がない奴が瑛斗くんと仲いいわけ?」
「さぁ理解できない」
「だよね~」
「瑛斗くん、おもしろがってんじゃん?勉強しかしてない馬鹿だーって」
「馬鹿って~うける」
「確かに馬鹿だよね~いくら頭良くても勉強しかないとか馬鹿すぎる」
「あーあ…消えればいいのに」
「それ言う?でも確かに思う」
「瑛斗くんかっこよくて人気かあってさスポーツもできるし」
「釣り合ってないもんね」
「あーあ」
「死ねばいいのに~」
(2に続く)