ハッピー・クルージング~海でみつけた、愛のかけら~

もちろん、プライベートではあまりお近づきになりたくないから、何とかして不快感を与えないような言葉で遠ざけなくてはならない、としたら。


「一人前になるまでは、ずっと仕事に夢中です。

今は、お客様にご満足いただけるにはどうすればいいのか、それだけを考えています」


これでもう、大丈夫かな?

もう一度、営業スマイルを浮かべつつ、DVDを渡してもらおうと手を出したら。


「俺が満足すること、と言えば。

岩谷さんと二人で、このDVDを観たいな。

俺の部屋、1201号だから、きっとゆっくり観られるよ」


DVDと一緒に差し出されたお客様の手が、私の手を握った。


「きゃっ!」


びっくりして小さく声をあげたら、お客様が露骨に嫌な顔をした。

……しまった!


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