花嫁と咎人

淘汰された星


  ◇ ◆ ◇

「―…ラー、ララ、ラー。」


星は歌うように、


「ララララー、ラー」


思いを零し。


「…ラ、ララ…」


平和を祈り、愛を捧ぐ。


「……どうして逝っちまっただ。」


歌うのを止め、少女は墓の前で手を組み、うな垂れた。

あの人こそが支えだった。
でも気がついたら自分達だけで生活できるようになっていた。

皮肉だ。
だからあの人は逝ってしまったのか。

もう自分達が自立できると知って…あの人は。


すると遠くから弟が叫びながらやって来る。


「姉ちゃん、お米炊けただよ。」


そんな弟の頭を撫でて立ち上がると…少女は満天の星空の下、家を目指した。


「濡れタオルは代えたか?」


「うん。」


「包帯は大丈夫か?」


「うん。」


「まだ、起きねっべか。」


「…うん。」


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