花嫁と咎人
Chapter.5

追われた者達


目を開けた。
飛び込んできたのは白い天井。

視界の片隅で揺らめくカーテン。
寝転がっていると言う事は、今自分がいるのはベッドの上だろう。

1階から聞こえる聞き覚えのある声に、シャワーの音。


―…頭が、痛い。


そう起き上がろうとしたはいいが、ハッとして再び寝転がる。
今、何かが普段と違ったような気が。

そして、もう一度布団の中を見て唖然とした。


…え、え…!


顔が熱くなって頭が爆発しそうになる。
絡まる思考回路に、ついていけない自分の状況。


なんと、“下着だけしか着ていなかった”のだ。


ど、どうして!?
もしかしたら下着泥棒?
それともまさか…!
なんとも不純な考えが頭の中を埋め尽くして、心なしか室内にあるシャワーの音が逆に自分を責め立てる。


とりあえず、毛布を片手に起き上がった。
必死に服を捜すが…床にも無い、棚の上にも無い。

…え、ど、…どうしよう…!

慌てて探している時、シャワーの音が止まる。


「……!」


大変だわ!ああ、もうどうしよう…!

それから部屋の隅の棚を空け、意地でも探そうとした直後。


出てきたのは…


「…ハイネ……!」


カッターシャツとズボンだけを着た彼は、必死に長い銀髪をタオルで拭きながら…



「………」


私の方を見た。


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